2018.08.20

働いて、「ダリャー」をもらって、消費する。小学生対象の職場体験事業グッジョブケセンに出店してきた話。

2018年8月12日。夏の風物詩であるうごく七夕まつり、けんか七夕まつりが終わり、世間がお盆に入った頃。陸前高田市では「グッジョブケセン」なる初開催のイベントが、陸前高田市総合交流センター(通称:夢アリーナたかた)で開催されていました。

※各画像はタップすると拡大表示されます。
画像は陸前高田青年会議所facebookページより引用

グッジョブケセンってなんだ?

正式名称は「グッジョブケセン~可能性は∞!広げよう、将来の夢を~」。一般社団法人陸前高田青年会議所が企画した、簡単に言えば小学生を対象とした職業体験の場です。しかしながら、ただの職業体験ではございません。

勿論、ただの職場体験ではありません。グッジョブケセンだけで使えるこの日だけの特別な通貨「ダリャー」を発行し、経済の流れを職場体験を通して学ぶ事が出来るのです。ハローワークで仕事を探して(選んで)、仕事(職場体験)を終えたら銀行ブースでお給料(ダリャー)を受け取ります。ダリャーを使って高田の美味しいものを食べるもよし、貯金するもよし、遊んで楽しむもよしと子供たちの自由なのです。-陸前高田青年会議所facebookページより引用

仕事をして、給料をもらい、お金を使う。我々、おとなが普通にしていることを小学生が体験できるというのがこの「グッジョブケセン」の最大の特徴です。しかも、体験できる職業は実際に陸前高田市内にあるものオンリー。「仕事がない」「魅力がない」などなど、この街を離れていく子どもたちの声が聞こえてくるこの街で、小学生にとってこれほど良い企画もまた少ないでしょう。そんな企画で、私、映像制作のブースを出してきました。

撮影して、編集して、DVDに。

さてさて、ひとくちに「映像制作を体験させる」といっても、相手は小学生。パソコンを使えるかどうかもわかりません。あまり難しい作業はさせられないので、色々と考え(たくさんのアドバイスもいただきながら)、今回はこんな手順で体験を用意しました。内容は、「ありがとうを伝えるビデオメッセージを作ろう」です。

①誰にありがとうを伝えるのか決める

誰にありがとうを伝えるのか、何に対してありがとうなのか。テレビ番組などでADさんがよく使うカンペ(画用紙)に、みんなで書いていきます。恥ずかしがって出てこないかな?と思いきや、意外とみんなサクサクと進みました。お母さんに「いつも美味しいご飯を作ってくれてありがとう」だったり、バスケットボールのコーチや空手の先生に「いつも教えてくれてありがとう」だったり。

②撮影する

撮影は、役割をわけて交代しながら進めていきます。出演者、カメラマン、AD(カンペ出し)ですね。カメラマンを担当する子には、「3、2、1…」とカウントダウンをさせて、本番を強く意識させてみました。わかりやすく「テレビっぽい」ので、子どもたちもここはすごく反応がよかったですね。また、出演者もたくさんのライトに当てられて、いつもと違う緊張感を感じてくれたみたいです。

③編集する

編集はさすがに体験させてあげるのは難易度が高いので、ここは私の出番。ひとつひとつエフェクトをかけたり、今している操作の説明をしながら進めていきます。今回の参加者の中には、大人気Youtuber・ヒカキンさんが好きな子が何人かいたので、最近のYoutube界で主流になっているテロップをつくり、Youtuber風の動画に加工してあげたりしました。

④DVDにする。あいだに…

DVDにするためには、専用のデータに書き出しをしてから、専用ソフトで空のDVDに書き込む必要があります。それなりに時間を要するので、その間にDVDのレーベルやケースのラベルにペンで自由にデザインをしてもらいました。最後に、書き出したDVDをお土産として渡して、体験は終了です。

子どもたちの反応は…

体験中は、機材の説明をしたりもしましたが、子どもたちの反応がとてもよかったのは「ガンマイクの指向性」についての話でしたね。子どもたちは実際にヘッドホンをして、音を聞き取ります。立ち位置(声の位置)によって聞こえ方がまるで違うのがはっきりわかるので、子どもたちの顔もわかりやすくびっくりしてくれました。

参加した子どもたちが書いたアンケートをいただいたので、紹介します!

楽しくお仕事をたいけんできてとてもよかった。(立根小/5年生)
とても楽しくてこのような仕事をしているのがわかりました(盛小/3年生)
どのようにカメラを使うかがよくわかりました。(立根小/4年生)
いろんなくふうをしてお仕事をしているみたいでやってみたら本当にGoodJobだと思いました。(小友小/3年生)
3・2・1などをやるのが緊張したり、とったりして体験できてよかった(大船渡小/4年生)
難しそうだなと思ったけどやってみたいとも思いました。(猪川小/6年生)

実際に子どもたちの声が聞こえてくるのは、本当に嬉しいものですね〜。さらに、参加してくれた子のうち3人が将来の夢に「カメラマン・映像クリエイター」と書いてくれたようです。これには、ちょっとびっくりしました。やった甲斐があったというか、本当に嬉しかったですね。

以上、グッジョブケセンより、感想を書いてみました。陸前高田青年会議所の皆さま、それからボランティアにきてくれた高校生、高田一中生、そのほか、ご協力いただきました皆さま、本当にありがとうございました。良い経験になりました!

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